ラレトラ

可賀レトラの日記と小説置き場
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SS『お仕置きという名の』(R18)
今月も書き上げることができました!

*****

2015年1月お題SSズ募集詳細

主催幹事:
牛野若丸さま

お題発案者:
匿名希望さま、牛野若丸さま

お題:
「バー/居酒屋/酒場」または「カフェ/喫茶店/茶房」のシーンから書き始める。

文字数:
4000字以内

*****

「カフェ」を選択しました。字数は3,800字くらいです。
一応アレな設定なのでR18って書いたけど、ぬるいのでスミマセン……

・芦屋 光樹(あしや みつき)……カフェでバイトしてる男の子。
・広大(こうだい)……光樹の彼氏。二人とも一人暮らしで、半同棲的な。

記事の続きからどうぞ。
 

*****



『お仕置きという名の』



朝からずっとそわそわしている。なんでこんな日にバイトを八時間も入れてしまったんだろう。
……いや、違う。約束を忘れてシフト変更なんか引き受けてしまったから、こんな羽目になっているのだ。
自分が、悪い。それは分かっている。
でも……だって……
「ひゃっ」
「おっ、わりいわりい」
俺より早く来ていた篠原さんが、後ろを通りがかりに腰の辺りにぶつかった。
「ってか何だ芦屋、今の声」
「何でも、ないです……」
……背骨を這い上がるみたいに、快感が頭まで到達する。必死に、それをなだめようと関係ないことを考える。
――羊が一匹、羊が二匹。いや違う……寝ちゃダメだろ……寿限無寿限無五劫の擦り切れ……
客前に立つ勇気がいっこうに出ずに、勤務表の前で立ち尽くしていた。
こんなことをしてる場合ではない。早く仕事に集中して、「あれ」のことなど忘れてしまわねば。

「いらっしゃいませ。先にお席をお取りください」
「すみませーん」
子連れの若い女性に声をかけられる。
「はい」
「ここのテーブルくっつけてもいいですか?」
「かまわないですよ。少々お待ちください」
……事は、そう上手くはいかない。
重い物を持ち上げれば、自然と下半身に力が入る。当然……
「あッ」
怪訝な顔を向けられ、慌てて唇を痛いほど噛む。
「ママ。まほ、小ちゃいイスがいい」
「ごめんなさい、子供用の椅子ってありますか?」
「すぐにお持ちしますね」
……何とか難は逃れた。とはいえ、この調子ではいつボロが出るか分かった物ではない。
時刻は、午前十時。
「あれ」を入れられてから、まだ二時間も経ってない。


もともと、そんな趣味などなかったのだ。広大(こうだい)と最初にそういう関係になった時だって必死に抵抗した。
でも、「つながりたい」という欲求は、人間の根源的なところにあるのかもしれない。舌を絡めるだけじゃ、お互いをこすり合わせるだけじゃどうしても足りなくなって、欲しくてしょうがなくって、とうとう受け入れた。
だから、俺のそこに入ってもいいのは、広大だけだ。
断じて、こんなシリコンのぺらぺらしたプラグなんか許さない……
「芦屋くんが日曜入ってるなんて珍しいねー。あ、ラテお願い」
カウンターに背を向けて、ドリンクのオーダーをさばく。コーヒーの香りに鼻を浸すと、少し気が紛れる、ような気もする。
「柏木さんに頼まれて、代打です」
「そっか。サエコさんこわいからな。芦屋くんだと安心するわ」
こっちはおかげ様でもっとコワイのが家で待ってるんだ、と言いかけて口をつぐむ。
そんな恐さがどこかゾクゾクして堪らない、と頭が勝手に変換し、うずまったプラグにあっという間に伝えてしまう。



「え、今日バイトなの?」
「うん。急に頼まれちゃってさ」
「……買い物」
「へ?」
「約束してただろ」、寝ぼけ眼の広大の口調があっという間にトゲを持った。
慌てて記憶を揺り起こす、まずい。
確かに今日は先週のうちから、一緒にスポーツショップに行こうと言っていたのだ。
「ごめん……他に頼める人がいなかったみたいで」
「ふうん」
気の無い声が心に痛い。「『忘れて』ゴメン」の前半が言えなかったのが、最大の敗因だったのかもしれない。
「ま、別にしょうがないけど」
広大がのそりと起き上がる。「お仕置きは必要だよな」
「は?」
俺はまぬけな声を出す。
「お仕置きっつーか、お楽しみ? 一緒に買い物行けないなら、ちょっとくらい楽しめることがないとなあ」
立ち上がって大きく伸びをした広大は、にやりとも笑わずにベッドを指した。
「服脱げ。四つん這い」
「え、今からバイト……」
シャワーを浴びて着替えたばかりなのだ。
「また着りゃいいだろ。口ごたえできると思ってんの?」
「ゴメン」
やる時だって、こんな体勢滅多に取らされたことない。
おまけに部屋は明るくって、俺は何も着てなくて。
「足開け、もうちょい」
枕に顔をうずめれば、聞こえる声はより一層身体に響く。
直後、ひやりとした手のひらが尻たぶを包んだ。びくりとする間もなく、すぼみに近寄る冷たい感触も。
「な、なに」
「……お仕置き」
指とも性器とも違う固さが、中に入ってくる。
「え、……やめ、んっ」
「もう少し」
ローションか何かでするりと滑るが、太さがどんどん増す。え、どこまで来るの。
入ってきた「あれ」は、ひゅっとすぼまって、カチリと穴をふさいで止まった。
「ちょっと、広大っ……」
「なに?」
「何、じゃなくて」
「言っただろ、お楽しみ。ほら、バイト遅刻するよ」
携帯電話をひっつかんで時刻を見る。あと五分で出ないと間に合わない。
けど……それどころなわけがない。



一番泣きそうだったのは在庫チェックだった。冷たい倉庫に篠原さんと二人で入る。
「タマゴ二十」
「はい」
「チキン三十五。あ、エビ見えねえ、箱よけてくれる?」
「……はい」
新しいのは後ろに、古いものは前に出さねばならない。カフェだから重い食材が少ないとはいえ、しゃがんだり立ったり、持ち上げたり手を伸ばしたり……薄暗い(ほぼ)密室で「万が一、ばれたら」と思ったら気が気じゃない。
そして、そんなことばかり考えていると「あれ」の存在感はどんどん増してくるのだ。
「ミートソース十八」
「はい」
内側で出っ張った部分が敏感な所に当たりそうになる。
「なあ芦屋」
咄嗟に、身をよじらせる。
「はい?」
「お前、今日なに朝からそわそわしてんの?」
顔から、火を吹きそうになった。

「いや、そんなことは……」
「怪しいな。時計ばっか見てるし」
なんてことだ。篠原さんは時計ばかり見てる俺、ばかり見ているのか。
「日曜日、入り慣れないから時間の流れがいつもと違うなあと……」
「とかいって、本当はデートの約束うっかり忘れてバイト入れちゃった、とかじゃねえの」
「断じて!」
にやりと笑う顔が悪魔にしか見えなかった。図星を当てられ、恥ずかしさが下半身から湧き上がる。
無駄に連動する肉体が恨めしくもあり神秘的でもあり……
幸い、「断じてどっちなのよ」と、からかう台詞が聞こえたところで救世主が現れた。
「芦屋くん、チェック終わったー?」
顔だけ覗かせて、呼ぶ声が聞こえる。「あの、いや、」
「グラス割っちゃったお客さんがいるからちょっとヘルプ頼みたいんだけど」
「あ、行きます」
管理表をバインダーごと篠原さんに手渡して、俺はそそくさとフロアに逃げた。


ちりとりとモップで無惨に散らばったガラスを片付ける。
手を洗ってカウンターに戻ってくると、ちょうどその時入ってきた客と目が合った。
「いらっしゃ……」
「光樹(みつき)」
広大だ、と思った瞬間、あれもこれもないまぜになって数秒時間が止まった。
「チャイラテ、ホットでMサイズ。持ち帰りで」
「三百……九十円です」
小銭を置かずに、俺の手に押し付けてくる。骨ばってて、爪と肉のふちがちょうど同じ高さの、広大の指。
それがさっき、あんなことを……
「休憩とかあるの? もしちょっと外せるなら」
あごで店の外を指さされれば、こくりと頷くしかない。
ばくばくしている心臓と、はちきれそうにうずく「あれ」を抱えながら「ちょっと抜けさせてください」と小さな声で承諾を得て、裏口から出る。
ピーク時は過ぎて、客足は鈍っていた。


「広大」
ブロック塀にもたれて、甘ったるいラテを吸い上げながら彼はちらりとこちらを見た。
「おう。良い子にしてたか」
「……バカ」
泣きそうになる。早く外して欲しい。早く解放してほしい。
「実際どうなの?」
「どうって」
早く……もっと欲しいものが、欲しい。
「気持ち悪いとかしんどいとか、ヤバイはまっちゃう! とかさー」
ちょっと昔みたいな、いたずらを心底楽しむ少年みたいな顔で、広大が笑う。
俺は、もっとどす黒い欲望にまみれてる。
「はやく」
「ん?」
制服のままだと、外気が少し肌寒い。日は長くなり出したが、そろそろ夜闇も近い。
「どうにか……してよ……あれ、しゃがめないし、力入んないし、バイト集中できないし広大のことばっか考えちゃうし」
一気にまくしたてたら、広大の顔が固まる。
「そしたら本物が、来ちゃうし」

引きつったのは一瞬だった。それがふっとほどけると、頭をグシャグシャかき混ぜられた。
快感が矢印みたいに一直線に通って、思わず身体をくねらせてしまう。
「やめてよ広大」
「やめない。可愛いもん光樹。ほら泣かないで。そういうのは後でにしよう」
気づけば目元に水が滲む。
「ばか、誰のせいだと……」
「意識しすぎると残り時間ツライよ」
「もう遅い!」
手に持ったエプロンを巻きつけながら店内に引き返す。
にこりと笑った広大の表情が脳裏に焼き付いて……
あの顔で、指で広大で、早くいじめて欲しくてたまらない。


すぐにでも帰りたくて時計を見ていたら、篠原さんに後ろからつつかれた。「ひゃっ」
「馬鹿。エロイ声出してんじゃねえよ」
すみません、と謝ると「なに謝ってんだ」とにやにや笑われる。
「夜帯の奴らもう来てるから、先上がってもいいよ」
「えっ」
露骨に嬉しそうだな! と、背中をなでられ……何とか、こらえた。
「じゃあありがたく。お先失礼します」
クスクス笑う声が聞こえるが、気にしている暇はない。
もう、限界だった。

もどかしい帰路からの広大を想像すると、たちまち顔が熱くなる。
抜くときの感触なんて、頭に浮かべるだけでキュッとなってしまう。
この時の俺は、帰ったら今よりヒドいお仕置き(という名のお楽しみ)が待ち構えていることを……知る由もないのだった。



*****

もうちょっとぶっ飛ばす予定だったんですが、それもそれで難しいなと思いました。
リベンジしたい。
| [SS][BL] | 21:03 | comments(5) | - |  拍手! | にほんブログ村 BL・GL・TLブログ BL小説家志望へ
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1月お題SS、拝読しました。
エロ好きな自分は単純に「でゅふふv」とにんまりしながら、プラグインされている光揮のようすをセクハラしておりました。
お仕置きという言葉がいいですよね!
広大のほうが光揮に惚れている感じが伝わります。
でも、アレを許している時点で光揮も相当、ですよねv
そして篠原はあざとい。
知ってて、やってるんだろうなと妄想しました。
そのちょっとしたドキドキ感、いいですね!
続きはもちろん、いつかアップされるのを期待してますが、エロ楽しいSSをありがとうございます!

| 十織愛深 | 2015/01/29 12:21 AM |

十織愛深さま

お読みいただきありがとうございます!
エロの申し子十織さまに見ていただくのは気恥ずかしく……笑
ほんとは「俺が……なぜ……」みたいな劣情に苛まれる主人公が書きたかったんですが、ぬるめに仕上がってしまいました。犬も食わない有様です。
篠原さんがどこまで気づいているかが今後のキーになるかもしれません。おうちに帰ってからの第二ラウンドを妄想するのも楽しそうです。
感想どうもありがとうございました!
| 可賀 | 2015/01/29 9:11 PM |

これは自分にとって新たな萌えでしたっ。
焦らして焦らして焦らして、まだアウトプットすることなくお話終了(笑)という……篠原さんが全てお見通しなら彼自身最高に萌えていることでしょう!
バイト中に何かが発射されないか気が気じゃありませんでしたがw、なんとかハッピーエンド(?)になれたようでよかったです♪
というか、光樹くんなぜか喜んでいる……さすが愛と快楽のなせる技ですね!
広大くんにリベンジとかはしないのでしょうかっ。
素敵なSSをありがとうございました!
| 牛野若丸 | 2015/02/01 3:54 AM |

こんにちは、可賀さん。

読んでいて、くすくす笑いが止まりませんでした。
そわそわしている…というのは、なにか約束があるのかな?と凡庸な想像をしていたのですが、見事に裏切られ…。
『仕返し』には手間を惜しまない恋人に楽しまれていました。
光樹くんも災難ですね。

広大くんとどういう経緯で恋人同士になったのかものすごく気になります。

でも、デートをすっぽかされた仕返しがこれなら…ちょっとフラッとしちゃったりした日には恐ろしいですね。
篠原さんがいるわけですし←彼も確信犯ですよね!

今後が気になります。
ぜひ、続編を…。
| 砂凪 | 2015/02/01 8:51 AM |

お返事が遅くなりまして申し訳ありません!


牛野若丸さま

お読みいただきありがとうございます!新たな萌えを開拓していただき……恐縮ですw
たぶん光樹は訓練(という名の)されているので、人前でひどいことにはならないです。広大の前だとわかりませんが……!(私にSMやらスカの趣味がないのであれですが)
リベンジ戦があっても楽しそうですね。仕返し、光樹はずいぶん苦手そうですが、考えてみたいです。



砂凪さま

二人は幼なじみまで行かずとも、中高くらいからの知り合いなんじゃないかな、と考えています。
ヤンチャな所の少々あった広大を光樹はわりと苦手にしてたんですが、そのヤンチャが自分に向かってきたら存外ハマっちゃった……!みたいな。笑
皆さんのコメントを拝読して、続編というか二人のお話をもっと考えてみたいなあと思いました。
どうもありがとうございました!
| 可賀 | 2015/02/04 10:08 AM |










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